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【2026年最新】マルシェ・イベントの食品販売許可ガイド!食品衛生法のルールを徹底解説

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「手作りの焼き菓子をマルシェで販売したい」「イベントでコーヒーや軽食を提供したい」と考えたとき、最初に確認したいのが食品衛生法に基づく営業許可・営業届出です。

ただし、食品を販売するからといって、すべての出店者に同じ許可が必要なわけではありません。会場で調理するのか、別の施設で製造した食品を持ち込むのか、仕入れた包装済み食品をそのまま販売するのかによって、必要な手続きは異なります。

この記事では、マルシェやイベントで食品を販売する方と主催者の方に向けて、販売形態別の確認事項、保健所への相談方法、衛生管理、食品表示、出店当日の注意点を解説します。

出店準備では、販売する食品・仕込み場所・当日の調理方法を整理し、出店先を管轄する保健所に必要な手続きを確認しましょう。

【まずは結論】マルシェ・イベントの食品販売に必要な許可・届出は販売方法で変わる

イベント出店の手続きは、大きく「会場で調理する」「事前に製造する」「仕入れた食品を販売する」の3つに分けて考えると整理しやすくなります。家庭菜園で収穫した野菜をそのまま販売するような場合は、さらに扱いが異なります。

食品の販売方法別|営業許可・届出の確認早見表
販売方法 代表例 まず確認すること
会場で調理・盛り付けて提供 焼きそば、たこ焼き、ドリップコーヒーなど 露店・臨時営業などの飲食店営業許可、出店設備、取扱可能なメニュー
別の施設で製造し、包装して販売 焼き菓子、パン、総菜、弁当など 製造施設に必要な営業許可、販売場所側の届出の要否、食品表示・温度管理
仕入れた包装済み食品を未開封で販売 常温のスナック菓子、ペットボトル飲料、冷蔵品など 保存条件と食品の種類に応じた営業届出の要否。常温で長期間保存できる一定の包装済み食品の販売は届出対象外
農産物を採取し、原形で販売 収穫した野菜や果物など 採取業に該当するか、カット・加工などを行うか。加工する場合は別の判断が必要

大阪府の営業許可・営業届出制度の案内でも説明されているとおり、営業許可と営業届出は別の制度です。また、「営業許可・届出が不要」という場合でも、食品を安全に扱う責任やイベント主催者の出店条件がなくなるわけではありません。

会場で調理する場合:露店営業・自動車営業など

テントや屋台、キッチンカーで飲食物を調理して提供する場合、一般に飲食店営業の許可が検討対象になります。許可の取得方法、営業できる範囲、設備基準、提供できる料理は自治体や営業形態によって異なります。

例えば大阪府では、大阪府「露店による営業の取扱い」にあるとおり、一定の条件を満たして2021年6月1日以降に取得した露店の飲食店営業許可について、大阪府内の自治体間で相互に営業できる仕組みがあります。そのため、イベントごとに必ず新しい許可が必要というわけではありません。

事前に製造した食品を持ち込む場合:製造施設の許可を確認

クッキー・マフィン・パンなどを事前に製造して販売する場合、製造工程に応じて菓子製造業などの営業許可を確認する必要があります。弁当や総菜も、製造方法や営業形態に応じた許可が必要です。

大切なのは、許可を受けた製造施設で適切に作られているかと、販売時の取扱いが適切かをそれぞれ確認することです。製造施設の許可があることだけで、すべての販売行為が自動的に認められるわけではありません。

食品を仕入れて販売する場合:許可不要・届出対象外のケースもある

大阪府の食品営業届出制度では、常温で長期間保存しても衛生上の危害のおそれが少ない包装済み食品の販売などを届出対象外の営業として整理しています。一方、冷蔵品の販売や開封・小分け・盛り付けを伴う販売は判断が変わることがあります。

「仕入れ販売だから手続きは不要」と決めつけず、食品の種類・保存方法・販売方法を保健所へ具体的に伝えましょう。

野菜や果物を売る場合:原形販売と加工販売は分けて考える

家庭菜園や農園で育てた野菜を、収穫した状態のまま販売するケースでは、農業における採取業として食品衛生法の営業許可・届出の対象外となることがあります。一方、カット野菜、漬物、ジャム、乾燥食品などへの加工を行う場合は、必要な許可の考え方が異なります。野菜の洗浄や選別と、加工食品を製造する行為を同じ扱いにしないことが大切です。

また、営業許可が不要な品目でも、産地・名称など食品表示に関する義務が別途生じる場合があります。農産物を扱う方は販売品目に応じて表示内容も確認しましょう。

判断に迷ったときは「5つの情報」を先に整理する

保健所に「マルシェで食べ物を売りたいのですが、許可は必要ですか」と聞くだけでは、必要な手続きをすぐに判断できないことがあります。同じクッキーでも、会場で焼くのか、別の厨房で焼いて袋詰めするのか、製造済みの商品を仕入れるのかで、確認事項が変わるためです。

  1. 販売品目:焼き菓子・パン・弁当・飲料・野菜など、具体的な商品名。
  2. 仕入れ・製造場所:自分で作るのか、許可を受けた工場・店舗から仕入れるのか。
  3. 会場で行う作業:加熱、盛り付け、開封、小分け、試食提供、飲料を注ぐ行為の有無。
  4. 保存方法:常温・冷蔵・冷凍の別と、運搬から販売終了までの温度管理。
  5. 出店の形態:単発か継続的か、テントかキッチンカーか、イベントの開催場所と期間。

この5点を整理して相談すると、必要な営業許可・届出だけでなく、食品表示や出店設備についても具体的な回答を得やすくなります。

無許可営業を避けるために知っておきたいリスク

必要な営業許可を取得せずに営業した場合、行政による指導や処分の対象となり、違反の内容によっては刑事罰が科される場合があります。食品衛生法の罰則は違反行為によって異なるため、「無許可なら必ずこの刑罰になる」と一律には説明できません。

また、食品の取扱いが不適切で食中毒やアレルギー事故が起きれば、健康被害や営業停止、損害賠償などにつながる可能性があります。責任の有無や賠償額、保険金が支払われるかは、事故の状況や契約条件によって判断されます。

出店前には、必要な許可・届出を確認するだけでなく、衛生管理の方法、緊急時の連絡先、加入保険の補償内容まで確認しておくと安心です。

「出店スペースの利用許可」と「食品営業の許可」は別

イベント主催者から出店の承諾を得ても、それだけで食品衛生法上の営業許可が認められたことにはなりません。反対に、食品営業の許可を持っていても、会場の使用規則、火気使用ルール、道路・公園の使用条件などを満たす必要があります。

食品事故が起きたときに確認されること

食品による健康被害が疑われると、提供したメニュー、使用した原材料、調理・保管の方法、販売した日時や数量などが確認対象になります。特に複数の来場者が同じ症状を訴えた場合、出店者だけでなく主催者にも状況把握や連絡対応が求められます。

「営業許可を持っているから食品事故は起きない」ということではありません。営業許可は設備などの要件を満たしたことを示すもので、当日の調理方法や衛生管理まで保証するものではないからです。営業開始前に手洗い・温度管理・器具の使い分けを徹底しましょう。

PL保険の加入状況と補償範囲も確認する

食品を販売する出店者は、製造物責任に関する補償を含む保険への加入を検討しておくとよいでしょう。イベント主催者が加入を出店条件として定めている場合もあります。ただし、保険によって補償対象・免責条件・支払限度額は異なります。営業許可の有無だけで「必ず保険金が支払われる」「一切支払われない」と判断することはできません。

販売品目や調理方法が変わる場合には、保険の対象となる事業内容も含めて契約先に確認しておくことが重要です。

【会場で調理する方へ】露店・キッチンカーの営業許可と設備の確認

焼きそばやたこ焼きなど、会場で調理して提供したい場合は、メニューを決める段階で保健所に相談することをおすすめします。

提供できるメニューは調理工程と設備によって異なる

露店のような簡易な設備では、衛生上の理由から取扱品目や調理工程に制限が設けられることがあります。例えば大阪市「露店営業及び臨時出店について」では、原則として調理が簡易で、提供直前に加熱する食品などが対象とされています。

例えば、焼く・揚げる・煮るといった工程が中心のメニューでも、食材の下処理、トッピング、盛り付け方法まで含めて提供の可否を確認することが必要です。生ものや生野菜、乳製品を使うメニューなどは特に注意が必要ですが、全国共通の一律リストで可否を判断することはできません。

露店出店で事前確認したいメニューと工程の例
販売したいもの 保健所に説明・確認するポイント
焼きそば・たこ焼き 材料をどこで切るか、会場では加熱のみか、調理器具と給水設備をどう用意するか
ホットドッグ パン・ソーセージの加熱方法、具材の組み合わせ、野菜やソースの扱い
かき氷 氷の仕入れ先、保管方法、シロップの種類、器具の洗浄方法
コーヒー・ドリンク 現地で抽出・混合するか、既製飲料を注ぐだけか、氷や乳製品を使うか
クレープ 生地の仕込み場所、焼成後のトッピング、生クリームなどの使用有無
カレー・弁当 調理・炊飯する場所、盛り付け工程、調理後の保温・保冷方法

たとえば大阪市の露店営業の取扱いでは、直前加熱食品、組み合わせ可能な食品、飲料の調製、禁止される下処理などを具体的に示しています。食材が同じでも工程が違えば取り扱いが変わるため、「この料理なら必ず提供可能」という全国共通の一覧表として解釈しないことが大切です。

食材の仕込みは、実施する施設と作業内容を確認する

野菜のカット、肉の下処理、ソースの調製などの仕込みが必要な場合、営業形態によっては許可を受けた一次加工所などが求められます。家庭用の台所で仕込んだものをそのまま持ち込めるとは限りません。

仕込み場所の営業許可、持ち運ぶ温度、保冷容器、食品の保管時間を事前に整理し、許可申請時に確認しましょう。

たとえば前日にキャベツを切る、鶏肉を漬け込む、スープを仕込むといった作業は、露店で行う営業とは別に一次加工として扱われる場合があります。大阪市の露店営業では、一次加工を自宅で行うことはできず、営業許可を受けた施設等で行うか、加工済みの材料を仕入れるよう案内されています。

実務上は、「市販のカット野菜・調理済み食材を使用する」「許可を受けた厨房等で必要な仕込みを行う」といった方法が考えられます。ただし、借りた厨房で誰が営業者となるか、どの許可でどの作業ができるかは、利用契約と保健所への確認が必要です。

搬入の際には、仕込みが適切でも温度管理を誤ると食中毒のリスクが生じます。販売数量から逆算して仕入れ・調理量を決め、冷蔵・冷凍が必要な食材は保冷設備を確保しましょう。

露店で確認したい主な設備

  • 屋根や囲いなど、雨・ほこり・虫の混入を防ぐ設備
  • 流水で手洗いできる設備、石けん、ペーパータオルなど
  • 給水・排水設備や必要な水量
  • 保冷・保温設備と温度確認の方法
  • 器具・食材の保管場所、ごみの適切な回収方法

手洗い設備の形やタンク容量を「全国どこでも18Lでよい」といった基準で判断するのは避けましょう。出店先の自治体とメニューに応じて求められる設備が変わります。

テントの場合、屋根や側面の囲い、作業台、手洗い器、給水・排水タンクなどをどの位置に設置するかを図面で説明できるようにします。雨が吹き込む場所、来場者が食品や器具に触れられる場所、ほこりの舞う通路脇なども衛生管理上の確認ポイントです。

器具は床に直置きせず、食材用と清掃用の物を分けて運びます。冷蔵・冷凍品を扱う場合は、保冷剤だけでなく商品の保管状況を確認できる温度計の準備も検討しましょう。手洗い設備が共同で用意されているイベントでも、それだけで各ブースに求められる設備を代替できるとは限りません。

キッチンカーは車両側の営業許可と出店先の条件を確認

キッチンカーは、一般に車両の構造や給排水タンク、調理設備などを基準に自動車による飲食店営業許可の取得を検討します。移動できるからといって、すべての都道府県で同じ条件で営業できるわけではありません。許可を取得した自治体と出店予定地の制度を確認してください。

また、車両の駐車位置、電源、火気使用、発電機の騒音、排水・油の処理など、主催者が定める運営条件にも注意が必要です。食品営業の許可だけで、会場の使用許可まで取得したことにはなりません。

申請の流れとスケジュール

  1. 販売内容の整理:メニュー、調理工程、提供数、出店形態、仕込み施設を整理する。
  2. 保健所へ事前相談:必要な許可・届出、申請窓口、取扱可能な食品、設備基準を確認する。
  3. 必要な書類と設備を準備:申請書、配置図、食品衛生責任者の資格資料、仕込み施設の許可証など、指示されたものをそろえる。
  4. 申請・確認:手数料、設備確認の方法、許可までの期間を確認する。
  5. 出店前の最終確認:許可条件と主催者の出店規約を照合し、当日の保管・手洗い・ごみ処理を準備する。

申請時期・費用・設備確認の手順は自治体により異なります。大阪府で露店営業を行う場合は、大阪府「食品営業許可申請(露店)」で申請窓口や必要書類を確認できます。

許可の申請には、食材の仕込み施設や設備についての追加説明が必要になることもあるため、出店日が決まったら早めに相談するのが安全です。目安として、出店計画を立てる段階で一度相談し、必要書類が確定してから正式申請へ進めると、設備の買い直しやメニュー変更を避けやすくなります。

手数料の例として、2026年の大阪府の露店営業許可申請では新規申請8,000円と案内されています。ただし、これは大阪府の当該手続きの額であり、全国共通の費用ではありません。また、審査・設備確認・許可証の交付に必要な期間も申請先によって変わります。

「営業許可」とイベントの「臨時出店届」は同じではない

営利目的で継続的に行う露店営業と、地域の交流・親睦を目的とした行事での臨時的な食品提供では、手続きが異なる場合があります。たとえば大阪市の案内では、露店の営業許可と地域行事等における臨時出店の届出を分けて説明しています。

「年に1回のイベントだから届出だけでよい」と自己判断せず、イベントの目的、出店者が事業として販売するかどうか、開催期間などを保健所へ伝えてください。

【焼き菓子・パン・お弁当を販売する方へ】製造施設の営業許可を確認

会場での調理を行わず、あらかじめ作った食品を包装して持ち込む場合は、製造する食品に応じた営業許可と、販売時の食品表示・温度管理がポイントになります。

自宅のキッチンで作った食品は販売できる?

一般家庭で日常的に使っている台所を、そのまま食品営業用の製造施設として使えるとは限りません。大阪府「食品営業許可制度」でも施設基準について案内されており、菓子製造業などの許可を取得するには、その基準を満たす必要があります。家庭用台所との兼用が認められない自治体もあります。

一方で、自宅という住所であることだけを理由に、製造販売が一律に不可能と決まるわけではありません。独立した営業用スペースを整備して施設基準を満たす方法なども考えられます。工事や設備購入の前に、保健所へ図面を持参して相談してください。

実際に必要となる設備は食品や施設形態に応じて異なりますが、生活用と営業用の動線・保管場所の分離、専用の手洗い設備、清掃しやすい床・壁、食品の保管設備、害虫対策などが確認されます。家庭用の設備をそのまま使えると考えて製造を始めるのではなく、施設基準を先に調べておくことが重要です。

特に手作りクッキーやマフィンは「自分で食べるために焼くこと」と「販売するために製造すること」で必要な条件が異なります。少量販売でも、製造して販売する場合には許可の要否が変わらないことがあります。

シェアキッチンを使えば必ず販売できる?

シェアキッチンは、製造用の設備を確保するための選択肢です。ただし、施設側が営業許可を持っているだけで、利用者が自分の名義・事業として製造販売できるとは限りません。

利用前に、許可を受けている営業者、取り扱える食品、利用者に必要な許可・手続き、食品表示に記載する製造者・製造所を確認しましょう。営業の主体と許可の取扱いは管轄保健所に相談してください。

シェアキッチンを探すときは「菓子製造業許可付き」「飲食店営業許可付き」などの広告表記だけで決めず、実際の許可証、利用可能な製造品目、責任分担を確認しましょう。飲食店営業の許可だけでは、すべての菓子の製造・包装販売に対応できるとは限りません。

  • 許可証の名義人と利用者の関係はどうなっているか
  • 厨房で製造できる商品と、持ち帰り・販売が認められる条件は何か
  • 原材料・完成品の保管、冷蔵設備の使用、包装作業をどこで行うか
  • 食品表示ラベルに記載する製造者・製造所をどう扱うか
  • 清掃・衛生記録・アレルギー物質の混入防止を誰が管理するか

レンタルキッチンの利用料だけでなく、必要な許可申請や保険、包装資材、輸送用保冷設備なども含めた費用を計算しておくと、販売価格を決めやすくなります。

パン・焼き菓子・総菜では許可区分も異なる

焼き菓子やパンの製造は、製品や工程に応じて菓子製造業などの許可が検討されます。パンについて「パン製造業許可」という独立した全国共通の営業許可区分があるわけではありません。総菜や弁当については、製造工程によって別の業種の許可が関係することがあります。

メニューを決めたら、食品の名称だけでなく、どこで、何を、どの工程まで行うかを説明できるようにしておきましょう。

関連記事:マルシェの食品販売許可・届出を販売形態別に確認する

焼き菓子・パン・弁当・ジャムを販売するときの注意点

クッキーやマフィン:焼いた後に個包装して販売する場合、菓子製造業などの許可、原材料表示、賞味期限の設定、保存方法がポイントになります。ナッツ・乳・卵・小麦などのアレルゲンも確認しましょう。

パン:製造するパンの種類と工程により、菓子製造業等の許可区分や衛生管理が関係します。具材を挟む調理パンは、通常の食パン・焼き菓子と同じ前提で判断しない方が安全です。

お弁当・総菜:加熱後に冷却・包装するのか、注文後に調理するのかで、製造・販売の形態が異なります。夏場などは搬送中・陳列中の温度管理が特に重要です。製造時刻、消費期限、売れ残りの扱いまで計画しましょう。

ジャム・シロップ:「手作りだから菓子製造業でよい」とは限りません。製造方法や容器への充填方法、保存条件に応じて必要な営業許可区分が異なることがあります。

販売前に「商品の状態」と「食品表示」を一緒に確認する

作った食品を箱や袋に詰めてマルシェに持ち込む場合、個包装をどこで行うのか、販売するときに袋を開けるのか、会場で試食を配るのかも確認したい点です。完成品をそのまま販売する場合と、開封して小分けする場合では、食品の取扱いも衛生リスクも違います。

食品表示ラベルは販売直前に作ると原材料の重量順やアレルゲン表示にミスが出やすくなります。レシピが固まった段階で原材料リストを整理し、実際の包装サイズで読みやすさを確認してください。

食品衛生責任者・HACCP・食品表示で押さえるべきこと

食品衛生責任者は原則として許可・届出対象施設に必要

営業許可や営業届出の対象となる施設では、原則として食品衛生責任者の設置が求められます。食品衛生責任者になるには、調理師など所定の資格を持つ方法のほか、食品衛生責任者養成講習会を修了する方法があります。

ただし、食品を扱う人が例外なく全員講習を受けなければならないという意味ではありません。営業の対象区分や施設ごとの要件を確認してください。

食品衛生責任者は、営業施設の衛生管理を中心となって進める担当者です。資格を取得しただけで、すべての営業許可が自動的に取れるわけではありません。施設基準を満たしたうえで、該当する業種の営業許可申請または営業届出が必要になる場合があります。

自治体や食品衛生協会が実施する養成講習会には、会場での受講やオンライン方式などが設けられている場合があります。予約方法、費用、受講時間、講習修了後の取扱いは地域によって違うので、出店予定地に応じた案内を確認しましょう。

HACCPに沿った衛生管理は原則必要。ただし対象外もある

2021年6月から、原則として食品等事業者にはHACCPに沿った衛生管理が求められています。小規模な事業者は、厚生労働省のHACCPに関する案内で紹介されている業種別の手引書を参考に、衛生管理計画を作り、実施状況を記録・保存する方法があります。

一方、常温で長期間保存できる一定の包装済み食品の販売など、制度上の対象外となる営業もあります。「全出店者に同じ記録が必須」と考えず、自分の業種に合った手引書と要件を確認しましょう。

小規模出店者の場合は、難しいシステムを一から作る必要はありません。たとえば「使用する冷蔵庫やクーラーボックスの温度を確認する」「調理前・トイレ後の手洗いを徹底する」「加熱する食品の調理手順を決める」「体調不良のスタッフを食品取扱いから外す」といった内容を計画にまとめ、当日の実施状況を記録するところから始めます。

記録する項目は販売品目に合わせて選びます。焼き菓子なら製造環境・包装・保管の確認、屋台なら調理温度・食材の保管・手洗い設備の確認など、必要な管理点は変わります。厚生労働省の小規模事業者向けHACCPの案内には、業種ごとの手引書がまとめられています。

検便が必要かどうかは、出店形態と主催者の基準を確認

「マルシェに出店するときは、必ず全員が検便を受けなければならないのか」という疑問も多くあります。しかし、食品を販売する人全員に対して全国一律に「直近1年以内の検便証明書を提出する義務」が課されているわけではありません。

保健所による指導や主催者の運営基準によって、検査の実施、対象者、検査項目、提出期限が定められることがあります。特に調理を伴う出店や学校・地域行事では独自の基準が設けられることもあるため、募集要項を確認しましょう。

検便結果だけに頼らず、発熱・下痢・嘔吐などの症状があるスタッフを食品取扱いに従事させないこと、体調の変化を当日確認することも欠かせません。

包装済み食品の表示では、原材料・期限・アレルゲンに注意

容器包装された加工食品を販売する場合は、食品表示法に基づく表示が必要になるのが原則です。消費者庁「食品表示法・食品表示基準」も踏まえ、商品や販売形態に応じて次のような項目を確認します。

  • 名称、原材料名、添加物、内容量
  • 消費期限または賞味期限、保存方法
  • 製造者・加工者などの表示事項、製造所に関する情報
  • アレルゲン、栄養成分表示、原料原産地表示など、商品に応じて必要な項目

消費者庁の食物アレルギー表示に関する情報によると、2026年4月にはカシューナッツが特定原材料に追加され、アレルギー表示の対象となる「特定原材料等」は計29品目(義務表示9品目、推奨表示20品目)になりました。対象品目や経過措置についても同ページで確認できます。

対面で提供するその場調理の食品と、包装済みの加工食品では、同じ表示方法が必要とは限りません。ただし、いずれの場合もアレルギー情報を正確に管理し、問い合わせに対応できるようにすることが重要です。

関連記事:食品衛生法とマルシェ出店時の衛生管理を確認する

焼き菓子の食品表示ラベルを作るときのチェックポイント

たとえばクッキーを個包装して販売する場合、「クッキー」という名称だけでなく、使用する原材料と添加物、内容量、賞味期限、保存方法、食品関連事業者の氏名・住所、製造所に関する情報などを整理します。原材料名は原則として使用量の多い順に記載し、添加物は区分するなどのルールがあります。

また、一般用の容器包装入り加工食品には、原則としてエネルギー・たんぱく質・脂質・炭水化物・食塩相当量の栄養成分表示が必要です。ただし、小規模事業者など一定の条件では省略できる特例があるため、消費者庁の事業者向け解説で自分の事業が対象か確認してください。

アレルギー表示では、原材料として使った食品だけでなく、複合原材料に含まれるアレルゲンや製造設備での混入にも注意が必要です。表示する品目、表示方法、経過措置の有無を確認したうえで、販売する製品に合ったラベルを作成しましょう。

温度管理と食中毒対策もセットで考える

食品表示に正しい保存方法を書いても、搬入から販売終了までその方法を守れていなければ意味がありません。特に弁当、惣菜、クリームを使用する菓子など、冷蔵が必要な食品では、保冷設備の能力、補充頻度、陳列時間を確認してください。

屋外イベントでは、直射日光や気温の上昇によって食品の温度が変わりやすくなります。食材を調理台に長時間置かず、販売数量を小分けにして補充するなどの方法も有効です。保冷が必要な食品は「日陰に置いたから大丈夫」と判断しないようにしましょう。

アレルギー事故を防ぐためには、トング・ナイフ・まな板の共用にも注意が必要です。提供するメニューの原材料一覧をスタッフ全員で共有し、問い合わせに答えられない場合は曖昧に「入っていません」と断定しない対応を決めておきましょう。

【主催者向け】マルシェの食品出店者を募集する際のチェックリスト

イベント主催者は、販売内容に応じて必要な営業許可・届出を出店者が確認できているかを把握し、会場全体の衛生管理を進めることが大切です。

  • 販売メニューと調理工程:事前に提出してもらい、当日のメニュー変更を無断で行わない運用にする。
  • 必要な許可・届出:許可対象の出店者には営業許可証などの確認資料を提出してもらう。届出対象・対象外の事業者には該当する販売形態を確認する。
  • 仕込み施設:事前調理がある場合は、製造・一次加工を行う場所と、その許可等を確認する。
  • 保冷・手洗い・ごみ処理:会場設備と出店者自身の設備の役割分担を明確にする。
  • 食品表示とアレルギー対応:包装済み食品の表示、提供食品への問い合わせ対応、緊急時の連絡体制を確認する。
  • 保険・出店規約:賠償責任の分担、必要な保険、キャンセル時の対応をあらかじめ書面で確認する。
  • 検便:検便の要否・頻度・対象者は、保健所の指導内容や主催者の衛生管理基準に応じて確認する。全出店者について「直近1年以内の陰性証明が法律上必須」と一律に扱わない。

食品営業の許可がある場合でも、会場使用や火気使用に必要な手続きは別です。主催者は開催場所の管理者や関係機関にも確認しましょう。

募集前に決めたい出店ルール

食品出店者の募集では、出店料やブースサイズだけでなく、どのような食品を販売できるかを決めておく必要があります。会場が屋外なのか屋内なのか、電源や水道が使えるか、火気・発電機・ガスボンベが利用可能かによって、募集できる業態は変わります。

募集要項には「販売予定メニューを申請時に提出」「無断でのメニュー変更不可」「必要な許可・届出は出店者が確認」「販売当日の衛生管理は所定のルールに従う」といった条件を具体的に記載すると、出店後の認識違いを減らせます。食品を扱わない雑貨ブースと飲食ブースをどのように配置するかも、会場設計の段階で整理しましょう。

提出書類は一律ではなく、販売形態ごとに確認する

会場で調理を行う出店者には該当する営業許可証や食品衛生責任者の資格資料など、製造済みの食品を販売する出店者には製造施設に関する資料などを確認します。仕入れ販売や農産物の原形販売では手続きが異なる場合があるため、すべての出店者に同じ許可証の提出を義務付ける運用は適切でないことがあります。

提出書類の一覧を作る際は、保健所の指導に基づき「全員共通で提出するもの」と「営業形態によって必要になるもの」を分けると分かりやすくなります。検便についても、法律上の全国一律の条件ではなく、出店先の指導や主催者基準に沿って判断します。

当日の会場レイアウト・巡回で確認すること

  • 調理・提供エリア:砂ぼこり・雨水・虫が入りにくい位置に配置し、来場者の動線と調理台を分ける。
  • 手洗い・給排水:各出店者の設備と会場の共用設備を区別して配置し、利用ルールを共有する。
  • 電源・火気:調理器具の使用条件や発電機の位置、消防・施設管理者の指示を確認する。
  • 食品の保管:保冷設備が必要な事業者の設置場所と電源容量を事前に確認する。
  • 廃棄物:生ごみ・油・排水の処理方法を決め、終了後に会場へ残さない運用にする。

また、食品事故や来場者の体調不良が発生した際に、誰が保健所へ連絡するか、販売を一時停止する判断を誰が行うかを決めておきます。出店者の連絡先、取扱いメニュー、仕込み場所等をまとめておくと、緊急時の状況確認がスムーズです。

関連記事:マルシェを主催するときの準備・運営のポイント

マルシェでの食品販売に関するよくある質問

Q. 1日だけの出店なら、営業許可は不要ですか?

A. 1日だけという理由で一律に不要になるわけではありません。継続して食品営業を行う出店者の露店営業と、地域の交流行事などで認められる臨時出店では制度が異なることがあります。営業形態と開催地域を伝えて保健所に確認してください。

Q. 自分で作ったクッキーをマルシェで販売できますか?

A. 製造内容に応じた営業許可を受けた施設で適切に作り、食品表示など必要な要件を満たせば販売を検討できます。家庭用キッチンで製造したものがそのまま販売可能とは限りません。

Q. ペットボトル飲料や市販のお菓子だけなら手続きは不要ですか?

A. 常温で長期間保存できる一定の包装済み食品を未開封で販売する営業は、届出対象外となる場合があります。ただし、冷蔵品の販売や飲料を開封して注ぐ行為は別の判断になることがあります。

Q. 自家栽培の野菜を販売する場合は?

A. 収穫した野菜を原形のまま販売することが採取業に該当する場合は、原則として営業許可・届出の対象外です。カット・漬物などの加工を行う場合は取扱いが変わるため、事前確認が必要です。

Q. マルシェでは必ず検便を受ける必要がありますか?

A. すべての食品出店者に対して一律に「年1回の検便証明書提出」が法律で定められているわけではありません。出店先の自治体や主催者の要件を確認してください。体調不良時の従事制限や手洗いなど、日常の衛生管理も大切です。

Q. 食品営業の許可があれば、どのイベント会場でも出店できますか?

A. 必ずしもそうではありません。許可の営業範囲、出店先自治体の取扱い、会場の利用規約、火気使用や道路・公園の使用条件などを確認する必要があります。

Q. マルシェで食品を試食として無料配布する場合も許可が必要ですか?

A. 無料で提供するから必ず手続き不要というわけではありません。試食する食品の種類、開封・カット・加熱の方法、提供する場所やイベントの性質によって判断が変わります。販売品目の届出と合わせて、試食方法も保健所や主催者に伝えましょう。

Q. 食品衛生責任者の資格だけあれば、お菓子を販売できますか?

A. 食品衛生責任者は施設の衛生管理を担う資格・役割で、菓子製造業などの営業許可そのものではありません。製造施設の許可、販売方法、食品表示などを別に確認する必要があります。

Q. 市販のペットボトル飲料を紙コップに注いで販売できますか?

A. 未開封の飲料をそのまま販売する場合と、開封して注ぐ場合では営業形態が異なります。氷を入れるか、果物などを加えるかによっても確認事項が変わるため、具体的な提供方法を伝えて判断を受けてください。

Q. 許可付きのレンタルキッチンで作れば、どこでも販売できますか?

A. 厨房が必要な許可を取得していても、利用者本人の製造販売が認められるかは別の確認が必要です。厨房の許可内容、契約条件、製造者表示、出店会場の販売方法などを整理しましょう。

まとめ|食品の販売方法を整理し、許可・届出・会場条件を確認しよう

マルシェやイベントで食品を販売する際に大切なのは、「食品販売には必ず同じ許可が必要」と考えるのではなく、何を、どこで、どのように作り、どのように販売するかを整理することです。

  1. 会場で調理するか、製造した食品を持ち込むか、仕入れ販売かを整理する。
  2. 営業許可・届出の対象と、製造施設・露店の要件を保健所に確認する。
  3. 衛生管理、食品表示、温度管理、緊急時の対応を準備する。
  4. 会場の利用条件と、消防・道路・公園などの関係ルールを確認する。

営業許可や届出の手続きと、出店できる場所を探すことは別の準備です。スペースコラボでは、催事やイベントの出店場所について相談を受け付けています。食品営業に必要な手続きは管轄保健所で確認したうえで、出店場所の条件を比較してみてください。

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著者

寺島 翔平

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